脊柱可動性の違い

脊 柱

 頚椎は7個の骨からなり、胸椎12個、腰椎5の脊椎骨が連なり構成される。
主に重要な機能を持っています
1:頭部・体幹を支える支持機能
2:頭部・体幹を動かす機能
3:脊髄・馬尾神経を容れ、これを保護する機能
 この機能のうち、支持機能が破綻すると、脊柱の不安定性が生じ、腰痛や頭頸部痛などの機能障害を発生する可能性がある。
 また、神経保護機能が破綻してしますと四肢の疼痛や感覚異常、痺れや筋力低下などが出現する。


脊柱の湾曲と運動

 脊柱を横から診ると多くの人は頸椎で前湾、胸椎で後弯、腰椎では前湾を呈している。 

 この湾曲の程度は個人差が大きく、女性では頸椎の前湾減少(ストレートネック)、重症例では後弯をとることも稀ではない。

 脊柱は骨盤の上にあることから、この湾曲構造は骨盤・仙骨の傾斜の影響を受けやすい。骨盤前傾で仙骨傾斜角が大きくなると、腰椎増強、胸椎後弯、頸椎前弯がバランスを取るように増強する。

 骨盤の傾斜の影響は股関節、膝関節などの影響を受け、下肢の関節の影響が脊柱のアライメントに影響を及ぼす。


ここからは、胸椎と腰痛の特徴について端的に考えていきます。 


 胸郭 は 肋骨 で囲まれているため、固そうなイメージがあるかもしれませんが、実際は可動性があり、関節の数も多いためトータルの動きで可動性が高くなってます。

胸郭は可動性を持ちながら、心臓や肺、大血管を保護している部分であります。


 特に回旋系のスポーツ、野球やゴルフなどのスイングを代表するような捻る動きは胸郭の回旋の可動性が重要となってきます。
胸郭とは、12対の肋骨、12個の胸椎、胸骨から構成されます。
胸郭(胸腔)の構成
肋骨 1~12 (真肋1~7、仮肋8~12)
弓状に湾曲した長骨で、前方ではその先端が肋軟骨となり、胸骨と結合します。
第8、9、10肋骨は、その先端部の肋軟骨が胸骨に達せず、すぐ上位の肋軟骨と結合しています。
第11、12肋骨は胸椎と連結するだけで、前端は浮遊しています。


joint by joint theory や joint by joint approachなど言われ、
FMSで有名な理学療法士Gray CookとストレングスコーチのMike Boyleによって考案されたアプローチ法です


固定するべき所はきちんと固めて、その上で可動すべき所をきちんと可動させる

という考え方で、トレーニングや障害予防に役立つ理論です。


 胸椎は可動性、腰椎は安定性、股関節は可動性のように交互に関節の機能が存在がするという考え方です。

 野球のスイングに例えると、腰部の安定性がしっかりとしていると胸椎、股関節が回旋することでスイング動作が行われます。動作においては安定があるからこ、その上位の関節の可動性が生まれると思います。


 逆に何らかの影響で、胸椎や股関節の硬さや可動域制限があると足りない可動域を腰部で代償して行うようになります。

 先ほど説明したように、腰椎は関節構造や関節機能の双方から考えていくと回旋運動には適していないことがわかったと思います。
 

 本来、安定してほしい関節を過剰に使い回旋動作を繰り返すことで関節構造に過剰な負荷が生じることは容易に考えられます。 

 腰部は構造的に回旋動作には適しておらず、屈曲-伸展が得意なことから過剰に反りあがる、伸展動作で代償している選手をよく見かけます。

 

 この過剰な伸展動作の繰り返しが、腹筋や背筋のアンバランス、不良姿勢を招くだけでなく、小学生や中学性のような骨の発達が未熟な選手であれば、過剰に伸展することで関節にストレスが集中し、腰椎の疲労骨折、腰椎分離症の原因となっていきます。

 障害予防の観点から考えていくと、腰部の安定性を高めた上で、胸郭や股関節の可動性エクササイズを進めいていくという考え方になりますね。


 野球というスポーツを考えると股関節のヒンジ動作が多く、腰椎の前弯を強めた姿勢が多く見られます。日常的な動作の繰り返しにより、筋のアンバランスが生じてくるので、補助的なトレーニングでは腰椎を後弯させるエクササイズやストレッチなどをを取り入れるなど、身体のバランスを整えるようなメニューを行うことをオススメします。

トレーナー井上健太のblog

訪問型 personal training・group training 理学療法士 + アスレティックトレーナー

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